タグ別アーカイブ: 弔事

香典返しと弔事のマナーガイド|時期・金額・掛け紙の書き方と品物の選び方

香典返しと弔事のマナー ガイド

※この記事から紹介している各記事には、アフィリエイト広告(楽天市場・Amazonなど)を含みます。この記事そのものには広告リンクはありません。

香典返しは、慶事の贈りものとは作法がすべて別です。時期も、掛け紙も、表書きも、選んではいけない品も違います。しかも宗教と地域によって呼び方まで変わるため、調べても情報がばらばらで戸惑いやすいところです。このページでは、仏式・神式・キリスト教それぞれの時期と表書き、掛け紙の書き方、そして弔事では避けられる品を整理しました。

この記事の立場:弔事の作法は宗教・宗派・地域によって大きく異なります。ここに書いたのは「一般的にこうされることが多い」という目安で、唯一の正解ではありません。お寺・神社・教会、葬儀社、地域の年長の方に確認したことがあれば、そちらが優先です
また、この記事は宗教上の教義について説明するものではありません。実務として迷いやすい部分を整理したものとしてお読みください。
慶事の内祝いをお探しの方へ。出産・結婚などのお祝いをいただいたときのお返しは、香典返しとは別のものです → 内祝い・お返しの選び方ガイド

香典返しとは|内祝いとは別のものです

香典返しは、お通夜や葬儀で香典をいただいた方へ、忌明けの報告を兼ねてお礼をお伝えするものです。慶事の「内祝い」とは、名前も性格も別のものです。

香典返し(弔事)内祝い(慶事)
意味あい香典へのお礼と、忌明けの報告お祝いへのお返し、喜びのおすそ分け
時期忌明け後(仏式なら四十九日のあと)お祝いをいただいてから1か月以内など
水引黒白(地域により黄白)の結び切り紅白の蝶結び/結び切り
表書き志・満中陰志・偲び草など内祝
のし(右上の飾り)付けません付けます

「当日返し(即日返し)」も広まっています

近年は、お通夜・葬儀の当日に、参列者へ一律の品をお渡しする形が広まっています。会葬御礼とあわせてお渡しするもので、あとから住所を調べて発送する手間がかからないのが理由です。

この場合でも、高額の香典をいただいた方には、忌明け後にあらためて差額分に見合う品をお贈りするのが一般的です。当日返しで一律にお渡しした金額(2,500〜3,000円程度が目安)を差し引いて考えます。

贈る時期|宗教によって違います

香典返しは「忌明け」に贈るのが基本です。その忌明けの日が、宗教によって違います。

宗教忌明けの目安贈る時期
仏式四十九日の法要法要のあと、1か月以内をめどに
神式(神道)五十日祭五十日祭のあと
キリスト教(本来は香典返しの習慣がありません)召天記念日・追悼ミサのころ、1か月後を目安に贈られることが多いです

※浄土真宗など、宗派によって考え方や呼び方が異なります。菩提寺や葬儀社に確認できる場合は、そちらを優先してください。

仏式では、四十九日が三か月にまたがるのを避けて三十五日で忌明けとする地域や家もあります。この場合は三十五日の法要後に贈ります。

また、キリスト教にはもともと香典(および香典返し)の習慣がありません。ただ日本では実際にお金をいただくことが多く、その場合はお礼としてお贈りするのが自然です。表書きは「志」や「偲び草」「感謝」などが使われます。

時期を過ぎてしまったら

ご葬儀のあとは、手続きや片づけが続いてとても忙しい時期です。予定より遅れてしまっても、失礼にはあたりません。挨拶状に「ご挨拶が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます」と一言添えれば十分です。無理をして体調を崩すほうが、贈られる相手も望まないことです。

金額の目安|3分の1から半額

香典返しの金額は、いただいた香典の3分の1から半額が目安とされています。「半返し」「三分返し」という言い方をします。

いただいた香典香典返しの目安考え方
5,000円2,000〜2,500円当日返しの品でまかなえることが多い金額帯
10,000円3,000〜5,000円もっとも多い価格帯
30,000円10,000〜15,000円当日返し分を差し引いて考えます
50,000円以上3分の1程度でもご親族からの高額は、支えの意味を含むことが多いため

※一般的な目安です。地域や家によって考え方が変わります。

ご親族から高額の香典をいただいた場合は、半返しにこだわらなくて構いません。そこには葬儀費用を支える意味が含まれていることが多く、きっちり半分をお返しすると、その気持ちを断るような形になってしまいます。3分の1程度にして、挨拶状を丁寧にお書きになるほうが、意にかないます。

また、当日返しをした場合は、その分を差し引いて考えます。3万円いただいた方に当日3,000円の品をお渡ししているなら、忌明け後にお贈りするのは7,000〜12,000円程度、というかたちです。

掛け紙の書き方|「のし」は付けません

弔事では「のし紙」とは言わず、「掛け紙」と呼びます。理由ははっきりしていて、のし(右上の細い飾り)は干したあわびを表す“おめでたい”印だからです。弔事には付けません。

宗教水引表書き
仏式黒白の結び切り
(関西・西日本では黄白を使う地域があります)
(全国で通じます)/満中陰志(関西・西日本で多い)
神式黒白または双銀の結び切り志/偲び草
キリスト教黒白の結び切り、または無地志/偲び草/感謝

※水引の色は地域差が大きい部分です。迷う場合は、地元の贈答店や葬儀社に確認すると確実です。

名前の書き方と、掛け方

名前は、水引の下に喪家の姓(「〇〇家」)または喪主のフルネームを書きます。どちらでも構いませんが、地域によってどちらかが一般的な場合があります。

掛け方は、品物に掛け紙をかけて上から包装する「内掛け(内のし)」が一般的です。弔事の贈りものは控えめであるべきとされるためで、配送で贈るときにも掛け紙が傷みません。

結び切りを使う理由

  • 結び切りは、一度結ぶとほどけません。「二度と繰り返さないように」という意味で、弔事に使われます
  • 何度でも結び直せる蝶結びは慶事のものなので、弔事には使いません

品物の選び方|「消えもの」が基本

香典返しに選ばれるのは、使えばなくなるもの=「消えもの」です。「不祝儀を後に残さない」という考え方から、昔からこの形が続いています。

定番選ばれる理由
お茶もっとも定番。日持ちがして、宗教を選ばず、どのご家庭でも使えます
海苔常温で日持ちし、軽くて配送しやすい。年配の方にも喜ばれます
菓子(焼き菓子・和菓子)個包装で分けられ、常温で日持ちするものが選ばれます
乾麺(そうめん・うどん)常温で長く置け、消えものの代表格です
調味料・だし毎日少しずつ使えます。原材料がシンプルなものを
洗剤・タオル食品以外の定番。「悲しみを洗い流す」「白は清浄」という意味づけもあります
カタログギフト近年は一般的。相手に選んでいただけるので、好みを外しません

お茶がとくに定番なのは、消えもので日持ちがするという実務的な理由に加えて、「故人を偲びながらお茶を飲んでいただく」という意味が重ねられているためだと言われています。

弔事で避けられる品

ここは、慶事の贈りものとまったく基準が違うところです。ふだんのギフトでは定番の品が、弔事では避けられます。

香典返しでは避けられることが多いもの

  • 肉・魚…「四つ足生臭もの」と呼ばれ、殺生を連想させるため避けられます。仏事では特に気にされます
  • お酒…お祝いの席のものとされるため。ただし故人が好んだ場合などに、地域や家によっては用いられることもあります
  • 昆布・鰹節…慶事の縁起物として使われてきたものなので、弔事には向きません
  • 紅白のもの・華やかな色柄のもの…お祝いを連想させるため
  • 商品券・現金…金額がそのまま伝わるため、避けられることが多いものです(カタログギフトは可とされます)

肉・魚を避けるという慣習は、慶事のギフトに慣れているほど見落としやすい部分です。お取り寄せグルメでは「ごちそう」の中心にあるジャンルですが、香典返しでは外すのが無難だと考えてください。

※これらは「一般的に避けられることが多い」という慣習であり、地域や家、ご本人の考え方によって受け止め方は変わります。ご親族の意向がある場合は、そちらを優先してください。

挨拶状(忌明けの挨拶)の書き方

香典返しには、忌明けの挨拶状を添えるのが基本です。品物だけをお送りするより、こちらのほうが本来の趣旨に沿っています。書き方には、慶事の手紙とは違う決まりがいくつかあります。

弔事の挨拶状で守られている決まり

  • 句読点を使いません。「儀式が滞りなく流れるように」という意味と、毛筆で書いていた頃の名残だと言われています
  • 重ね言葉を避けます。「重ね重ね」「たびたび」「ますます」「再び」など、繰り返しを連想させる言葉は使いません
  • 「拝啓」で始めたら「敬具」で結びます。頭語と結語は対にします
  • 時候の挨拶は省くのが一般的です

書く内容は、おおよそ次の順序です。

拝啓 このたびは亡父〇〇の葬儀に際しまして
ご丁重なるご厚志を賜り誠にありがとうございました
おかげをもちまして このほど四十九日の法要を滞りなく相済ませました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたします
何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
本来ならば拝眉のうえお礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具

※文例です。宗教・宗派によって用いる言葉が変わります(神式では「五十日祭」、キリスト教では法要にあたる表現を用いません)。葬儀社が用意する定型文を使うのが、いちばん確実です。

実際には、香典返しを扱うお店や葬儀社が挨拶状の印刷まで請け負ってくれることがほとんどです。文面も宗教別に用意されているので、無理にご自分で考える必要はありません。

香典返しが不要なケース

ケース対応
「香典返しは辞退します」と伝えられたお気持ちを受け取り、お礼状だけをお送りします。無理に品物を贈ると、かえって相手の意に沿いません
勤務先から出た香典(慶弔規定によるもの)会社の福利厚生として支給されたものなので、基本的に不要です
職場の有志から連名でいただいた一人あたりが少額なら、皆さんで分けられる個包装の品を職場宛にお贈りする形が一般的です
香典を寄付した場合お返しはせず、挨拶状でその旨をお伝えします(「故人の遺志により〇〇へ寄付いたしました」など)
いただいた額が少額(3,000円程度)当日返しの品でお返しが済んでいると考えるのが一般的です

品物のジャンル別ガイド

当ブログでは、ジャンルごとに5商品を並べて比べた記事をまとめています。価格・送料・日持ち・のし対応・楽天の評価を一覧にしているので、候補をしぼるのに使ってください。

この記事では、当ブログの比較記事19本のうち、弔事に向くものだけを載せています。肉・魚・うなぎ・お酒のおつまみといったジャンルは、前の章のとおり香典返しでは避けられることが多いため、ここでは外しました。

お取り寄せで香典返しを選ぶときの注意

  • 「掛け紙(弔事用のし)に対応しているか」を最初に確認してください。紅白ののしにしか対応していない店もあります。表書き「志」「満中陰志」が選べるかもチェックを
  • 「ご飯のお供」の中には、魚介を使った佃煮や明太子などが含まれます。肉・魚を避ける考え方をとるなら、海苔・だし・梅干し・昆布以外の調味料など、素材を確かめて選んでください(昆布・鰹節も慶事の縁起物なので避けられます)
  • 産地直送の生鮮品は、掛け紙に対応していないことがあります。日持ちの面でも弔事には向きません
  • 華やかなパッケージや、紅白の色使いのものは避けます。商品写真で確認してください

※各記事の中では、わたしが実際に取り寄せた商品にはその感想を、まだ食べていない商品には「紹介」であることを明記しています。掛け紙の対応可否は、必ず注文前に商品ページでご確認ください。

よくある質問

Q. 香典返しは必ず必要ですか?

A. いただいた香典へのお礼としてお贈りするのが一般的です。ただし辞退の意向を示された場合や、勤務先の慶弔規定で支給された香典については不要とされます。当日返しをしている場合も、少額の方についてはそれでお返しが済んだと考えます。

Q. 当日返しをしました。後日も贈るべきですか?

A. 高額の香典をいただいた方には、忌明け後にあらためてお贈りします。当日お渡しした品の金額(2,500〜3,000円程度)を差し引いて、3分の1から半額になるように考えます。

Q. 忌明けから時間が経ってしまいました。

A. 遅れても問題ありません。ご葬儀のあとは手続きが多く、思うように進まないのが普通です。挨拶状に「ご挨拶が遅くなりましたことをお詫び申し上げます」と添えれば十分です。

Q. いただいた金額がばらばらです。全員に同じものでいいですか?

A. 金額帯ごとに分けるのが一般的です。「5,000円の方」「10,000円の方」「それ以上の方」のように2〜3段階に分けて、それぞれに品物を決めると、人数が多くても手配が進みます。同じ段階の中では同じ品で構いません。

Q. お茶以外を選んでも失礼になりませんか?

A. なりません。「消えもの」であれば、海苔・お菓子・乾麺・洗剤・タオルなど、いずれも定番です。お茶がとくに多いというだけで、決まりではありません。

Q. 香典返しをいただきました。お礼を伝えるべきですか?

A. 「ありがとう」というお礼の連絡はしないのが一般的とされています。弔事に対してお礼を重ねることを避けるためです。どうしても伝えたい場合は、「無事に届きました」「お心遣い恐れ入ります」と、受け取った旨を控えめにお伝えする程度にとどめます。

Q. 神式・キリスト教の場合はどうしますか?

A. 神式は五十日祭のあと、表書きは「志」「偲び草」。キリスト教はもともと香典返しの習慣がありませんが、日本では1か月後の召天記念日・追悼ミサのころに「志」「偲び草」「感謝」としてお贈りすることが多いです。いずれも「四十九日」「法要」「供養」といった仏教の言葉は使いません。

Q. 挨拶状は自分で書かないといけませんか?

A. ほとんどの場合、必要ありません。香典返しを扱うお店や葬儀社が、宗教別の定型文を用意して印刷まで請け負ってくれます。ご自分で書く場合は、句読点を使わない・重ね言葉を避ける、の2点にご注意ください。

この記事のまとめ

  • 香典返しは内祝いとは別のものです。時期・水引・表書き・避ける品、すべてが違います。
  • 時期は忌明け後。仏式=四十九日のあと、神式=五十日祭のあと、キリスト教=1か月後が目安。遅れても問題ありません。
  • 金額はいただいた香典の3分の1から半額。ご親族からの高額は3分の1程度で構いません。
  • 掛け紙にはのし(右上の飾り)を付けません。黒白(地域により黄白)の結び切りに、表書きは「志」「満中陰志」「偲び草」。内掛けが一般的です。
  • 品物は「消えもの」。お茶・海苔・菓子・乾麺・洗剤などが定番です。
  • 肉・魚・お酒・昆布・鰹節・紅白のものは避けられます。慶事のギフトとは基準がまったく違います。
  • 挨拶状は句読点を使わず、重ね言葉を避けます。定型文を用意してもらえることがほとんどです。
  • 慶事のお返しは → 内祝い・お返しの選び方ガイド